医療系エンジニア(SE)のキャリアについて

萩田 峰旭
エンジニア 萩田 峰旭

こんにちは、GMOリザーブプラスの萩田です。
本記事では、医療業界に関わるシステムエンジニアのキャリアについてご案内したいと思います。

すでに医療業界で働いている方、医療業界への転職を考えている方に役立つ情報を提供できればと思います。

医療業界の市況感

まずはじめに、医療業界がいま、どれほど伸びているかご存じでしょうか?
具体例として、厚生労働省より公開された「令和4年度 医療費の動向」によると、

令和4年度の概算医療費は46.0兆円、対前年同期比で4.0%の増加、対令和元年度比で5.5%の増加

引用元:厚生労働省 医療費の動向調査:結果の概要
https://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/database/zenpan/iryou_doukou_b.html

となっており、なんと医療費は全体で約46兆円規模で、今後も成長し続けていきそうです。

しかしながら、医療費の増大にともない、医療機関の業務逼迫が懸念となります。
そんな状況に対応するため、医療業界では急速なDX化が進んでいます。

電子カルテやレセプトコンピュータの導入はもちろん、各種医療機器の電子化、予約システムの導入をはじめとする、広範囲に渡る医療サービスのデジタル化が求められています。

だからこそ、医療業界でのシステムエンジニアの重要性はますます高まっています。

医療系エンジニアの種類

医療業界でのエンジニアの仕事としては、大別して以下のような種類があります。

院内SE:
院内SE(システムエンジニア)は、医療機関内での情報システムの運用、保守、開発を担当します。具体的には、電子カルテシステムや診療支援システムなどの導入や改善に関わります。また、セキュリティ対策やデータ管理なども重要な業務です。

医療系ベンダーSE:
医療系ベンダーSE(システムエンジニア)は、医療機関向けにソフトウェアやハードウェアを提供するベンダー企業(SIer)で働きます。顧客の要件に合わせたシステムの設計、導入、カスタマイズを行います。また、顧客とのコミュニケーションやトラブル対応も発生します。

医療系WebサービスSE:
医療系WebサービスSE(システムエンジニア)は、医療関連のWebサービスやアプリケーションの開発や運用を担当します。予約システムや健康管理アプリなど、患者や医療従事者が利用するシステムの開発を行います。ユーザビリティやセキュリティを考慮しながら、使いやすいシステムを提供することが求められます。

以下にそれぞれについて説明します。

医療系エンジニア:院内SE

院内SEは、病院やクリニックに所属し、内部で情報システムや情報セキュリティに関わる仕事を行うポジションです。

具体的な仕事としては、以下のようなものがあります。

  • 電子カルテやレセプトコンピューターなどの導入や運用管理
  • 院内のネットワーク管理、PCやデバイスの管理
  • 院内の情報システムの導入や運用管理
  • プライバシーマークや医療ガイドラインなどの対応管理

このように、院内SEは医療機関のスタッフとして、院内の情報システムの専門家として働くイメージです。
患者や医療の現場に近い領域で働きたい方におすすめです。

必要なスキル(および習得できるスキル)としては以下があります。

  • 医療現場での業務知識
  • イントラ系ネットワークの知識
  • Microsoft製品の知識
  • 情報セキュリティ運用の知識

医療系エンジニア:医療系ベンダーSE

医療系ベンダーSEは、医療向けのシステムやソフトウェアを提供するソフトウェアベンダーやSIer(システムインテグレーター)で働きます。
医療機関の要求に基づいて個別のシステムを設計し、開発する役割を担当します。
また、ベンダー直接の雇用ではなく、ベンダーへの業務委託という形で下請け企業に所属する場合もあります。

具体的な仕事としては、以下のようなものがあります。

  • 顧客との折衝、要件定義
  • プロジェクト管理
  • 設計やプログラミング
  • 納入したシステムの保守運用

このように、医療系ベンダーSEはシステム開発会社に所属し、そこで開発業務を行います。さまざまな技術に触れることができるのがメリットです。

必要なスキル(および習得できるスキル)としては以下があります。

  • システムの受託開発の知識
  • オンプレミス系のプログラミング言語の知識
  • データベースの知識

医療系エンジニア:医療系WebサービスSE

医療系WebサービスSEは、主に独立したクラウドサービスを開発する企業で、ウェブベースのサービスを開発・管理します。
システムの種類としては、電子カルテ、予約管理システム、レセプトコンピュータ、その他医療系のスマートフォン向けアプリなど、幅広く存在します。
ウェブのプラットフォームは基本的にインターネット経由で利用されるため、セキュリティや個人情報保護に関する知識とスキルが求められます。

具体的な仕事としては、以下のようなものがあります。

  • 自社サービスの改善企画、利用状況の分析
  • 自社サービスの設計開発
  • 自社サービスの保守運用

このように、医療系WebサービスSEはクラウドサービスの開発企業に所属し、そこで開発業務を行います。
Webテクノロジーに触れながら、自社サービスに特化して取り組めるのがメリットです。

必要なスキル(および習得できるスキル)としては以下があります。

  • Webテクノロジーの知識
  • クラウドインフラの知識
  • Web系のプログラミング言語の知識
  • データベースの知識

医療系エンジニア特有の技術傾向について

医療系エンジニアとして特徴的な要素としては、個人情報や医療情報のセキュリティに対する理解が必要だという点があげられます。
医療業界で利用するシステムについては、医療ガイドライン(3省2ガイドライン)などに準拠しセキュリティを担保した設計と運用が必要となります。
個人情報保護と医療ガイドラインの理解は、医療系エンジニアにとって不可欠な業務知識です。

「医療情報技師」という資格

『医療情報技師』という資格があります。

医療情報技師の資格を持つことで、医療業界におけるシステムエンジニアとしてのキャリアパスが広がります。また、病院や医療機関における情報システムの導入や改善、クラウドサービスの活用など、患者の医療に貢献する仕事を担うことができます。

『医療情報技師』の資格は、医療業界におけるシステムエンジニアとしてのキャリアパスを目指す方や、医療情報の活用に興味を持つ方にとって非常に価値のあるものです。情報システムの専門家として、医療サービスの質の向上に貢献することが期待されています。

医療系エンジニアの適性について

以下のような方が医療系エンジニアにむいていると言えます。

  1. QOL向上や社会貢献への興味
    医療業界は人々の健康と生活の向上に貢献できます。
    そのため、人々のQOL向上や社会貢献に興味を持っている方が医療系エンジニアとして適性があります。
  2. DX(デジタルトランスフォーメーション)へのチャレンジ精神
    医療業界はまだまだDX化が進んでいません。
    先端技術を活用し、イノベーションをもたらすことが求められています。医療業界の技術革新やDXの推進に興味を持ち、挑戦する意欲がある方が医療系エンジニアとして適性が高いと言えます。

このように、人々のQOL向上や社会貢献に興味があり、かつ医療業界に先端技術を広めるチャレンジ精神を持っている方が、医療系エンジニアとして適性が高いと言えます。

GMOリザーブプラスについて

弊社(GMOリザーブプラス)は、医療業界に特化したWebサービスの開発に取り組んでいます。
医療業界向けのWebサービス開発に興味がある方は、ぜひ以下の採用情報をご覧ください。

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記事を書いた人
萩田 峰旭
エンジニア 萩田 峰旭
CTO・創業期メンバー。
20年のSaaS開発の中で、複数社のテックリード、国内最大級予約システムの構築などを経験。
2016年にGMOリザーブプラスに創業期メンバーとしてCTOジョイン。
趣味は読書と整体通い。
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